
今回腕の上がらない患者様の実例を見ながら良くなる症状とならない症状について考えます。
腕から首の神経の滑走が悪かったので、神経への施術と少しだけ関節の施術をしました。
結果はご覧の通りです。
変化が出すぎてやらせみたいになってしましました。(もちろん違います)
肩の可動域のやらせを見抜く方法の一つとして、『肩の内外旋』があります。
ビフォーの画像では手のひらを下に向けさせて、アフターの画像では手のひらを上に向けさせるやり方です。
手のひらを下(内旋)にすると手は上がりにくくなります。逆に手のひらを上に向ける(外旋)と手は上がりやすくなります。
画像のようにビフォーアフターで手の向きが同じなのが普通です。
皆様騙されないようにしてください。
この方は、炎症もなく慢性化した症状でしたので、このような改善が見られましたが、徒手療法では結果が出にくいものもあります。
五十肩(凍結肩)はその代表例です。
数センチ動かすだけでも痛みの出るような五十肩は徒手療法で大きな変化は出づらいです。
筋肉が石灰化したり、炎症で血管・神経の増殖が起きているものは特にです。
血管・神経増殖は病院でのカテーテル治療が有効とされています。
自然治癒の場合は、石灰の場合、吸収されて消失すると治ります。
血管・神経は、炎症が収まり組織が修復する過程で消失すると言われています。
では、このような患者様の方を無理やり動かすとどうなるでしょう?
さらに炎症が進み最悪の場合、症状が悪化します。
よく、整骨・整体院の広告で【五十肩が一回で治る】みたいなものがありますが、おそらく五十肩ではなく単に肩関節回りの筋肉が硬直したり、姿勢異常からくる肩の痛み、ファシアの滑走性の低下などでしょう。
患者様には、自分の症状が徒手療法で改善するのかを整骨・整体院の先生に聞いてほしいです。
治らないものであれば病院をすすめるのがまっとうな先生です。
不安であれば先に病院で検査をおすすめします。
病院の検査にひっからず、『加齢が原因ですね』『使いすぎですね』などと言われる症状が、私たち徒手療法家の範囲であることが多いです。
患者様には病院も整骨・整体院も上手に使い分けてほしいと思います。
分からない時は気軽に聞いてください。
本日はここまでにします。
次回は、『けがの時のアイシング・温熱療法どっちが正しいの?』についてです。
ではまた。