
今回は【亡くなった方を蘇生した】という逸話のある頭蓋調整を紹介します。
その手技は『ファーザー・トム・テクニック』
といいます。
徒手療法の世界では有名なサザーランドさんという方の実話です。
サザーランドは自身の著書で、湖で死亡した男性を生還させたと報告しています。
引用します。
『私は側頭骨をつかみ、側頭骨乳突部を外旋へ、後頭骨を屈曲へ回旋した。これらの骨を動かした後、私の両手に温かい感覚が生じ、男性は呼吸を始めた。私が両手を離すと、呼吸は途絶えた。もう一度初めからこれらの骨の運動を試みると、温かい感覚が戻った。突然、男性の頭蓋に痙攣が生じ、彼は自分の姉妹に語りかけた。』
という記述があります。
もちろん呼吸が止まって間もない状態だったと予想されますが、すごいですよね。
サザーランドさんが具体的に何をしたのか説明します。
まず、人間は『息を吐いて生まれ、吸えなくなり死ぬ』と言われています。生まれた時の産声は息を吐く反応です。
死亡時には頭蓋は息を吐いた時の状態で停止します。
今回の手技は頭蓋の状態を、息を吸った時の状態にすることで、呼吸の再開を促した手技です。
すごい手技に思えますが、実際の患者様にも普通に使います。
施術の最後の調整にとても役立ちます。
このように頭蓋の調整は、呼吸という人間の根源的な活動に影響を与えます。
色々な効果のある方法がまだまだありますのでまた紹介しようと思います。
ではまた。